工場長養成塾

名古屋工業大学が主催する「工場長養成塾」に今年度、当社の製造部長が参加させていただいています。愛知県の自動車産業等の先進的な「ものづくり」の手法を各種中小企業に展開し、中小企業の製造の能力をボトムアップできるような人材を育成しようとする取り組みです。
当社のような粘土瓦製造業では慣習のようなものに縛られていることや、他業種の頑張っている産業を目にしていないという怠慢によって、旧態然とした製造方法をおこなっています。そのことを反省して、塾に参加させていただき、製造部長の学んできたことを、工場内に実践し、浸透させようと取り組みを開始しました。
10月6日、当社製造部長の所属する工場長養成塾の班の方々や名古屋工業大学の方がお見えになり、当社の製造ラインに対し、他業種の目から見た様々な意見をいただきました。

本社第二工場金型替え段取り

工場長養成塾ライン視察風景

ご指摘いただいた意見を参考に、塾に参加するこれからの半年間、工場の改善と従業員の意識改革に真剣に取り組んでいきたいと考えています。

市場開拓のための北海道視察

三州瓦を始めとする粘土瓦は、凍害が発生するとして寒冷地では使用されてきませんでした。しかし、製品品質の向上によって、現在生産している三州の粘土瓦は昔のものとは異なり、耐寒性能をもった寒さに強いものになっています。
北海道では屋根材として主に金属が使用され、粘土瓦の北海道への出荷はごくわずかでした。しかし、寒さに十分耐える屋根材であり、粘土瓦の外観の立派さや、耐久性能などの特質から北海道で粘土瓦を使用したいという要望が高まっており、三州瓦では組合を中心に北海道での市場開拓に取り組んでいます。
現在、個々の企業は製品品質の確保を各自の責任として北海道への粘土瓦の出荷をおこなっていますが、組合として安全なデータや施工基準を作成しようと取り組んでいます。

この度、組合の市場調査に同行する機会がありました。
北海道の屋根工事業者の方と寒冷地や積雪地での施工方法の会議をする前に、北海道で使用された瓦の劣化の状況を見に行こうということで、札幌に近く、かなり以前に粘土瓦を納入した現場が、観光施設の「北海道開拓村」にあるとのことで、「北海道開拓村」に行ってきました。

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いぶし瓦が施工された建物

同行していた野安製瓦さんにより納入された瓦であるとのことです。雪によって削られてしまったことが原因なのか、いぶしの銀膜が剥がれた黒色化が通常よりも早いようですが、いぶし瓦の味わいが出ているとも言えます。凍害は下から見上げた限りでは確認できませんでした。

陶器瓦が施工された物件

陶器瓦が施工された建物

釉薬を使用した陶器瓦の建物もありました。こちらの屋根も凍害は確認されませんでした。
毎年、北海道で何棟もの家に瓦が使用され、問題ないとの情報をいただいているため、今更、確認する必要も無いのですが、問題ないことを目にし、安心することができました。

その日は、もう一ヶ所の粘土瓦の施工現場を見学し、施工業者の方との会議をおこないました。翌日は旭川に移動し、北海道立北方建築総合研究所に行ってまいりました。
こちらの研究施設で屋外の粘土瓦の暴露試験をおこなう予定をしています。

暴露実験施設
暴露実験施設

写真は暴露実験の施設です。寒くなる前に瓦を持ち込んで瓦の施工を予定しています。瓦を施工した建物は旭川のこの実験施設のすぐ近くにもあるとのことですが、実験施設でのデータも必要であると考えています。
この研究施設はとても設備の整った建築の研究施設であり、複合劣化試験設備等、建材等の性能検査のための試験装置を見学させていただきました。三州の産地からではとても遠い施設ですが、粘土瓦の性能を明確にするために、お付き合いさせていただきたいと考えています。

いぶし瓦品質向上

日本の伝統的な建築素材であるいぶし瓦は、当初は銀色のいぶし色をしていますが、屋根の上で年月を経る間に次第に黒ずんだ色合いに変色していきます。
いぶし瓦は黒ずんでこそ、経年の美しさを表現すると考えられ、最初から黒いものを欲しいとの問い合わせもあり、特殊な製造方法をおこなって、そのような要望にも対応させていただいていますが、一般的ないぶし瓦の場合は、できるだけ黒く変色するのが遅くなるように製造上の努力をしています。
しかし、要因が数多く考えられ、施工された現場の条件なども要因として挙げられるため、完全に解決はできず、施工された現場や生産品によっては黒ずむのに時間的な差が発生しているのが実状です。
当社では以前から、いぶし瓦の品質向上に取り組んでおり、本年春頃より、いぶし瓦の生産に新しい技術を導入しました。

改善後の剥離状況 従来より剥離程度が減少している。

改善後の剥離状況 従来より剥離程度が減少している。

いぶし瓦に粘着テープを貼って、粘着テープを剥がすといぶしの皮膜が一緒に剥がれてしまいます。上写真は新しく導入した技術で生産したいぶし瓦です。従来のもの(下写真)に比べ、いぶしの皮膜の剥がれる量が減少しています。

改善前の剥離状況。

改善前の剥離状況。

いぶしの皮膜の剥離しやすさは、変色の要因の一部でしかなく、これで完全なものになったということではありませんが、条件は良くなっていると考えています。改善前のものには写真上部に成型時についた吸着の跡が丸く表れていますが、改善後のものについては、この吸着の跡も目立たないものになっています。剥離の少なさや、吸着跡の目立ちにくさについては、現在どのメーカーのものより良いレベルにあると考えています。

カパラスKS40新色伝統色赤陶物件

カパラスKS40の新色「伝統色シリーズ」の赤陶を使用していただいた物件写真です。
カパラスの「伝統色シリーズ」は洋風一辺倒の粘土瓦で、いぶし瓦以外の和風の色彩を表現しようとして製品化したものです。

カパラス赤陶物件1

赤陶色は昭和30年代以前に主流であった塩焼瓦や、石州産地で生産されている来待瓦などの赤瓦とよばれる瓦の味わいを再現しようとして出した色合いです。大甕や土管などにも共通する色合いは懐かしさを感じさせてくれるように思います。

赤陶物件写真2

一色町 三水亭 カパラス銀いぶし

愛知県一色町の鰻料理店三水亭さんにカパラスKS40、KJ40の銀いぶし色を使用していただきました。

三水亭1

三水亭2

和瓦のように棟にのし瓦を積んだ工法で、洋瓦として販売させていただいているカパラスですが、十分和風に見えますし、和瓦より軽快な印象となっているように思います。
和瓦も住宅の洋風化に伴い、使用が減ってきています。いかに現代的な和のテイストに粘土瓦を適応させていくかが課題であると考えています。

全国一を誇る鰻産地、愛知県一色町の鰻料理店であり、まさに本場の味を一色町に行った時には体験したいと思います。

三水亭 
愛知県幡豆郡一色町大字坂田新田字西江95-10
電話 0563-72-8817
http://www.mikawasuisankakou.jp/sansuitei/