瓦造形展出展

 2012年11月15日~24日の間、東京六本木の国立新美術館の野外展示場で第19回瓦造形展が開催されました。

瓦造形会

第19回瓦造形会 国立新美術館

 非常に多くの作品が出品され、芸術家の作品にも負けないレベルの高い作品が数多く出品されていました。瓦の職人の方が、瓦を使って造形物を制作したり、新しい屋根形状を提案してきた展示会ですが、非常に大きな作品や見応えのある作品、考えさせられる作品など、大変充実しており、有意義な展示会であったように思います。

 今回は会場が六本木の国立新美術館という立派な会場であるということもあり、賑やかしとして、私ども、粘土瓦メーカーに対しても出展の要請がありました。私ども三州を始め、各粘土瓦産地からも出展がおこなわれ、作品の一部として展示していただきました。
 当社では、粘土瓦を製品として作ってはいても、造形作品のようなものは作ったことがありません。また、粘土瓦メーカーとして、どのようなものを出展したらよいのかを悩みました。結果、芸術的なものを作るのではなく、新製品や製品開発のために試験的に取り組んでいることをお見せすることが、個人ではないメーカーの立ち位置として良いのではないかと考えました。
 当社でも新色、焼成技術、新形状など様々なものに取り組んでいるのですが、来場者の目をひくだろうと金箔瓦を出展させていただきました。

造形展への出展品

丸栄陶業の出展品 金箔瓦

 金箔瓦は特別新しいものではなく、織田信長の安土城でも使われていたと言われています。しかし、現在は金色の瓦は金色の釉薬の瓦が一般的で、金箔を貼った瓦の注文はほとんどありません。価格や耐久性の問題があるのですが、しかし、最近になり、海外からの問い合わせが頻繁に入ってくるようになりました。
 改めて見ると、金箔の上品な色がいぶし瓦の色ととてもあっているように感じます。当社としても、金箔瓦の良さを多くの方に認識していただきたいという気持ちで、現在、瓦に貼った金箔の耐久性の向上と品質の安定、製法によるコストダウンについて実験を繰り返し行っているところです。
出展品の瓦の形状としては、まったく工夫の無いものでしたが、そうした考えで出展をさせていただきました。

 造形会の皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。

チタンの瓦浅草寺

いつでも行けると思いながら、なかなか行けない場所があります。
東京の浅草寺に葺かれているチタン製の瓦を、ずっと見てみたいと思っていましたが、やっと行くことができました。浅草寺に行ったのも、学生の頃のほおづき市に行った時以来です。粘土瓦そっくりで見分けがつかないと聞いていましたが、実際に見てみても、聞いていなければ、疑うことも無かったと思います。

浅草寺の葺かれたチタンの瓦

東京浅草寺に葺かれているチタンの瓦

色もいぶし瓦の経年変色を意識して、少しまばらに色を変えているようです。
最初から粘土ではないと分かっているため、違いに気付くのですが、色がいぶし瓦に比べ、黄色っぽいことと、瓦の角が粘土瓦よりも尖っているように見えます。

粘土瓦を使っていただけなかったことは、残念なことですが、瓦の形状そっくりにしようとしていただいたことには救いを感じます。
瓦が悪い屋根材料ではないことは多くの建物に使っていただいて実証されていますが、「重いから心配」「台風で瓦が飛ぶ」など、消費者の方が心配される要因に対し、現在、充分な対応策がとられていることを、もっとアピールしていきたいと思います。

台湾訪問

三州瓦の輸出の約8割は台湾向けの輸出です。台湾には日本と同じように粘土瓦の物流、施工の職種の方々がたくさんおみえになり、日本やヨーロッパの瓦を取り扱っています。
当社も、中国、フィリピン、アメリカなどへの輸出もありますが、一番輸出量の多いのは台湾向けの輸出です。今回、いくつかのお寺で当社の瓦が工事中であり、その打合せで台湾に行ってまいりました。
多くの取引先に対し、訪問しましたが、その印象は日本よりも活気を感じました。値段との折り合いもあるのですが、瓦を大量に仕入れたいという要望が非常に強く、仕事を開拓していこうという強い熱意を感じました。台湾も不景気だとは言われているようですが、日本のような社会全体を覆う閉塞感は無いようです。

仏光山記念館

台湾仏光山仏像

上記写真は台湾高雄の仏光山というお寺で、当社の瓦を使っていただきました。仏像側から入り口を望むと瓦を見ていただけます。

仏光山記念館2

仏像側から山門を望む

仏教のテーマパークのような施設で、言葉はわかりませんが、見ているだけでも大変面白く、信者の方なのか、観光客かはわかりませんが、たくさんの人で賑わっていました。
台湾の宗教にも活気を感じます。

台北あたりでは集合住宅が多く、あまり粘土瓦の家を見かけることはできませんが、台南や高雄などの南部の郊外に行くと、日本の瓦が使われている住宅をたくさん見ることができます。シンプルな屋根が多いのですが、建物が鉄筋造で、日本の家より大き目の家が多く、粘土瓦も高級に見えるような気がします。

瓦原土採掘

当社の本社のすぐ近くで瓦土を掘っていたので、写真を撮りました。
近くの田んぼを借り上げて、瓦土を掘っている光景は珍しくはありませんが、碧南市内ではあまりありません。写真の手前は干上がっている田んぼです。

碧南市内の採掘現場

粘土採掘現場

このように田んぼから採掘された地元の土を三河土と呼び、豊田市やみよし市以北で採れる土を山土と呼び、ブレンドして粘土瓦の材料にしています。
三河土は粘り気があるとされ、粘土瓦の細かい細工に向いていると言われていますが、単体ではばらつきがあるようです。三河土の採掘の現場は、写真ではわかりにくいでしょうが、それほど大きなものではありません。

粘土採掘風景

粘土採掘風景

一時は三河土の枯渇も心配されましたが、現在は採掘業者の方々の努力により、原土が確保されています。

三河の窯業展 2012

今年も碧南市、高浜市の窯業関連団体により、3月4日~9日の間、東京ビッグサイトでおこなわれた建築建材展内に、三河の窯業展として、ブース出展をいたしました。

三河の窯業展2012

三河の窯業展2012

当社の所属する愛知県陶器瓦工業組合でも、震災に強い瓦、低温焼成瓦、太陽光発電パネルとの組み合わせなどの粘土瓦の展示をおこないました。粘土瓦が地震に弱いという誤解を払拭しようという展示に、海外の報道機関アルジャジーラも取材をおこなっていただきました。
今回は鬼師の方々により、会場での鬼瓦等手造り品の制作実演をおこないました。
瓦に関わっている私達でも鬼瓦の制作に立ち会うことはあまりありませんが、入場者の方はその迫力に驚いたことと思います。