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金箔瓦

しばらく止まっていた中国向けの輸出が再開され、このところ多くの問い合わせをいただいています。尖閣諸島問題の影響があったかどうかわかりませんが、瓦を使っていただくことで、日中、両国の友好と、文化の交流に少しでも貢献できればと願っています。
日本では織田信長が安土城で使ったとされる金箔瓦ですが、中国語圏からの問い合わせは、なかなか成約にいたらないまでも頻繁にあります。
今回、ご成約いただき、出荷待ちの状態のものが、工場に準備されていました。

中国輸出を待つ金箔瓦

金箔を貼った本葺き軒巴

割れてしまった金箔瓦

割れてしまった金箔

瓦の梱包作業中に金箔を貼った瓦がパレットから落ち、一枚割れてしまいました。携わっていた作業員達は大変しょげかえっていました。金箔はとても薄いものであり、金自体の価値より貼る手間賃のほうに費用がかかっています。瓦はお寺向けの特注の軒瓦であり、金箔をしていないものでも決して安いものではないのですが、金箔を貼ったものが割れて使えなくなってしまったことに、金箔をしていない普通の瓦が割れた時には感じない大きな罪の意識を感じてしまうようです。
金の持つ魔力のようなものを痛感しました。
割れた瓦は金としては再生できないため、瓦礫でしかありません。そう自分に言い聞かせないと、割れた瓦のカケラを家に持ち帰りたいという気持ちまで起きてきそうです。

瓦原土採掘

当社の本社のすぐ近くで瓦土を掘っていたので、写真を撮りました。
近くの田んぼを借り上げて、瓦土を掘っている光景は珍しくはありませんが、碧南市内ではあまりありません。写真の手前は干上がっている田んぼです。

碧南市内の採掘現場

粘土採掘現場

このように田んぼから採掘された地元の土を三河土と呼び、豊田市やみよし市以北で採れる土を山土と呼び、ブレンドして粘土瓦の材料にしています。
三河土は粘り気があるとされ、粘土瓦の細かい細工に向いていると言われていますが、単体ではばらつきがあるようです。三河土の採掘の現場は、写真ではわかりにくいでしょうが、それほど大きなものではありません。

粘土採掘風景

粘土採掘風景

一時は三河土の枯渇も心配されましたが、現在は採掘業者の方々の努力により、原土が確保されています。

いぶし瓦品質向上

日本の伝統的な建築素材であるいぶし瓦は、当初は銀色のいぶし色をしていますが、屋根の上で年月を経る間に次第に黒ずんだ色合いに変色していきます。
いぶし瓦は黒ずんでこそ、経年の美しさを表現すると考えられ、最初から黒いものを欲しいとの問い合わせもあり、特殊な製造方法をおこなって、そのような要望にも対応させていただいていますが、一般的ないぶし瓦の場合は、できるだけ黒く変色するのが遅くなるように製造上の努力をしています。
しかし、要因が数多く考えられ、施工された現場の条件なども要因として挙げられるため、完全に解決はできず、施工された現場や生産品によっては黒ずむのに時間的な差が発生しているのが実状です。
当社では以前から、いぶし瓦の品質向上に取り組んでおり、本年春頃より、いぶし瓦の生産に新しい技術を導入しました。

改善後の剥離状況 従来より剥離程度が減少している。

改善後の剥離状況 従来より剥離程度が減少している。

いぶし瓦に粘着テープを貼って、粘着テープを剥がすといぶしの皮膜が一緒に剥がれてしまいます。上写真は新しく導入した技術で生産したいぶし瓦です。従来のもの(下写真)に比べ、いぶしの皮膜の剥がれる量が減少しています。

改善前の剥離状況。

改善前の剥離状況。

いぶしの皮膜の剥離しやすさは、変色の要因の一部でしかなく、これで完全なものになったということではありませんが、条件は良くなっていると考えています。改善前のものには写真上部に成型時についた吸着の跡が丸く表れていますが、改善後のものについては、この吸着の跡も目立たないものになっています。剥離の少なさや、吸着跡の目立ちにくさについては、現在どのメーカーのものより良いレベルにあると考えています。