2011 年 6 月 のアーカイブ

地震による瓦の被害について

いろいろな方と話をしていると、瓦は重くて地震で家が倒壊する心配があるという話を聞きます。瓦をおろして、軽い屋根材に葺き替えるという話も時々耳にします。
これはまったくの誤解です。瓦を軽いものに葺き直しても、昔の家で当時の耐震基準で作られた家は耐震性は確保できません。逆に今の家であれば、瓦に充分な耐震性で構造計算をされています。
古い耐震基準で作られた家の耐震性を確保するためには、筋交いを入れたり、壁量を増やすしか方法はないのです。

東日本大震災でも関東地方を中心に多くの屋根瓦が屋根の上で崩れています。しかし、これは重さとは関係のない問題で、留めつけがしっかりしていなかったため、瓦が外れてしまったという問題です。
昔の瓦工事は、その地域ごとに異なり、地震や台風がよく来る地域では厳重な工事がおこなわれ、天災があまり来ない地域では比較的、簡易な工事がおこなれていました。
簡易な工事では台風や地震などで瓦がずれたり、落ちたりする可能性があります。

瓦が重いから危険だというのは、まったくの誤解なので、瓦業界では対処のしようがありませんが、ずれたり、落ちたりするのは瓦業界で防ぐことの出来る問題なので、10年ほど前から、全国的な安全な工事方法の基準を作ろうと取り組み、ガイドライン工法という工事方法を提案してきました。瓦の留めつけの基準を決めた工法です。今回の震災でもガイドライン工法でおこなった屋根についてはほとんど被害が無いか、あっても軽微であるとの報告を聞いています。

多くの方が瓦の屋根の上で外れてずれているのを、重さの問題と混同しているように思います。これらはまったく別の問題です。
訪問販売などによる屋根を軽くしましょうという誘いは、屋根を軽くしたからと安心してしまい、本来おこなわなけらばならない壁の補強などの耐震性の強化をおこなわずに済ませてしまう危険性をはらんでいます。

瓦は耐久性、機能性に大変、優れた屋根材です。愛着を持って長い間使っていただきたいと思います。

愛陶工札幌展示会

昨年に引き続き、6月16日~18日の3日間、札幌駅構内で三州瓦の展示会が、当社も所属する愛知県陶器瓦工業組合によりおこなわれました。
sapporo2011
北海道には瓦があまり使われておらず、瓦を少しでも知ってもらうことを目的とした展示会です。昔の各地で作られていた瓦は凍害の心配がありましたが、三州瓦は様々な試験を経て、北海道の気候でも問題無いことが実証されています。
駅構内ということも有り、多くの方が展示に足を止め、瓦に関心をもっていただきました。
道内でも粘土瓦の工事業者の方が数社あり、瓦工事は本州に比べると、少ないながらも、常時、粘土瓦を使っての屋根工事をされているそうです。
6月16日にはJRタワーホテルにて、耐震性と瓦屋根についての講演等もおこないました。震災での住宅の倒壊は屋根の重さではなく、壁量に注意することが重要であるとの内容でした。

瓦は美観性だけでなく、機能性、耐久性に優れた屋根材であり、北海道でもたくさん使っていただきたいと願っています。